2025/07/15 火曜日

介護業界のICT化が進まない理由

介護現場のICT化を進めれば、業務効率化や介護サービスの質の向上、スタッフの負担軽減など、さまざまな恩恵を享受できるでしょう。しかし実際のところ、介護現場でICT化があまり普及していない現状があります。以下では、介護業界のICT化を阻む要因をリサーチしてまとめてみました。

ICT化が普及しづらい理由の一つに、ICT機器を使いこなせる人材が少ないことが挙げられるようです。実際、介護現場のスタッフの平均年齢はおよそ50歳というデータがあり、全体の年齢層が高く、パソコンやタブレット端末といった情報機器の操作に慣れていない人が多いです。

結果、ICT機器の導入で働きづらくなることに抵抗を感じ、反対する声が出るケースもあるようです。とはいえ、「機械が苦手」という理由だけで、ICT機器導入を避けるのは非常にもたいないことです。年齢関係なく、機械に触れることに慣れれば利便性を理解してくれるはずです。機械に慣れてもらうためにも、施設側はスタッフへの教育と研修、そして継続的なサポートに力を入れる必要があります。

そのほか、ICT機器の導入や維持管理には、お金もかかります。初期費用だけでなく、システムの維持管理費用、バージョンアップ費用、サポート費用などが負担になってきます。よって、金銭面での余裕がない中小企業が経営する介護施設においては、ICT導入の費用を捻出することが難しいケースも少なくないのです。